2012年12月25日

南伊豆弓ヶ浜で初日の出はいかが?

元旦は初日の出を見ようと計画している人も多いかと思います。
そんな人のために南伊豆・弓ヶ浜での初日の出を紹介します。

 ↑ 弓ヶ浜から見た日の出。弓なりの海岸では横方向に歩くと近景と無限遠点である太陽との位置が変るので思い思いの撮影スポットを選べる。

 ↑ 弓ヶ浜から見た日の出。遠くの伊豆諸島(神津島、新島、式根島、鵜渡根島)と近くの灯台のある神子元島、さらに近くの沖根(石取根、横根、トヨ根)も横に歩くとそれぞれ微妙に位置関係が変わる。

 ↑ 弓ヶ浜初日の出お薦めエリア。時刻は6時51分。方位は東南東(360度方位で118度)





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初日の出があるならその対義語の「最終日の入り??」もしくは「初日の入り?」があっても良いと思ったので、そのお薦めスポットも紹介しておく。その場所は今年ジオパークビジターセンターがオープンした奥石廊(南伊豆町入間)のあいあい岬である。



 ↑ おおみそかの日の入り時刻は16時41分。方位は西南西(360度方位で242度)





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 ↑ 道の駅開国下田みなと前
 来年の元旦は、この場所から初日の出を拝む人も多い気がする。分かる人には分かりますよね(笑)  


Posted by さざえさん at 20:12Comments(0)ジオな気分

2012年09月24日

祝「伊豆半島ジオパーク」日本ジオパーク認定!

 伊豆半島では、7市6町、県など母体とする伊豆半島ジオパーク推進協議会を昨年3月末に立ち上げた。それ以来、住民向けの勉強会や講座のほか、ジオツアーの開催、ジオガイドの養成、検定試験の実施など、さまざまな取り組みを展開してきた。その成果が実り、本日(2012年9月24日)、都内で行われた日本ジオパーク委員会で、伊豆半島は、海底火山時代の地層や比較的最近の火山活動によって作られた地形など貴重な資料が残っている上、観光客のガイドも高い水準に達していると評価され、本日17時過ぎに、同委員会から日本ジオパークネットワークへの加盟日本ジオパーク認定が認められた。

 ↑ ジオパークの認定を喜ぶ鈴木町長と南伊豆町民。

 ↑ 伊豆半島ジオパーク推進協議会長の佃弘巳伊東市長からジオパーク認定の電話を受ける鈴木史鶴哉南伊豆町長。見守っていた関係者から認定の瞬間大歓声があがった。

 ↑ ちなみに今回の認定をみんなで喜んだ場所は、奥石廊のあいあい岬に今年7月オープンした南伊豆町ジオパークビジターセンター(南伊豆町入間1839-1、TEL:0558-65-1155)数年前まであいあい岬売店として営業していた建物だ。営業時間は季節変動するが、今の時期は10~17時であった。ドライブの休憩に最適な場所!というか車利用でないと実質無理な場所。⇒地図

 ↑ 店内には、ジオパークを説明するパネルやパンフレットが置かれている他、ジオ関連商品、土産物の販売もしている。小さいながら喫茶スペースもある。

 ↑ これは、地質標本ではない!伊豆のジオ(地質)を模したお菓子「ジオ菓子」だ。今現在、岩室洞の伊豆石凝灰岩、爪木崎俵磯の柱状節理、堂ヶ島の水底土石流、弓ヶ浜の砂嘴、一色の枕状溶岩、弁天島の斜交層理の計6種類がある。いずれか2種が1Pで480円である。

 ↑ 今回のジオパーク認定を受けて、「祝日本ジオパーク認定」シールが貼られた。ジオ菓子旅行団やるね!

 ↑ サザエの殻を使って作ったろうそくが売っていた(サザエキャンドル大420円、小2個入260円)

 ↑ センター前の駐車場からの眺めは絶景!南伊豆一番というか伊豆半島一番だと私は思う。
 ←こちらはちなみに、すぐ近くのユウスゲ公園からの眺め。

 ↑ あいあい岬から海に向かって左下を覗くと最近大人気の海水浴スポット「ヒリゾ浜」が見える。ここは中木港から渡し舟を利用して行く。

 ↑ 本日の夕日。海に沈む夕日は最高!いつ見ても飽きない、一日として同じ夕日は無い。周囲にセンター以外の建物が全く無い辺鄙な場所であるのがまた良い。

次に目指すは「世界ジオパーク」
世界ジオパークは、地球の成り立ちを知る上で貴重な地形や地質を保護し、教育や観光への活用を目指すもので、ユネスコの支援を受けた国際組織が認定するもの。今回の日本ジオパーク認定は、世界ジオパークの前提条件に過ぎない。ともあれ、関係者の方々ありがとうございます。
「まっ、ジオパークなんかどうでもいい」という人でも、あいあい岬からの眺望と夕日だけは見て欲しい。  


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2012年09月10日

近日、ジオ丼新メニュー発売予定、その名は「南伊豆の渚」定食

 つい先日9月4日・5日、伊豆半島のジオパーク認定に向けた日本ジオパーク委員会による現地審査が行われた。これに際してご尽力された伊豆半島ジオパーク推進協議会およびジオガイドの皆様、関係者の皆々様におきましては、伊豆半島在住の地質ヲタクの一人として感謝の意を申し上げたい。この審査結果は今月24日に発表される。
 本来ならばもっと早く商品化するべきであったが、遅ればせながら新メニューのジオ丼を近々販売する予定である。その内容は、当店のある弓ヶ浜周辺のジオをイメージしたものである。以前にもこのブログで試作品を紹介したことがあったが、今回、近所のおばちゃんや漁師のおっちゃん達と相談し改良を重ねた結果、商品化の目途がついたので報告させていただく。ちなみに好評だったジオ冷やしラーメンは、今シーズンは終了いたしました。


 ↑ 日本の渚百選にも数えられる弓ヶ浜。赤丸は当店の位置。

 ↑ この美しい弓ヶ浜をイメージして作った定食「南伊豆の渚」
沖合いにある神子元島は、下田S級サザエを使用したコロッケ。神子元島周辺は巨大な下田S級サザエの漁場である。灯台は魚のすり身で出来ている。
弓ヶ浜の湾は、ホワイトソースに、ほうれん草をすって加えるることで、エメラルドグリーンの海を再現。コロッケにつけて食べる。真ん中には海老ちゃんが泳いでいる。
浜の両側にある岩場は、ひじきの煮物で表現。もちろん南伊豆産だ。
漁船は、大根と金目鯛の煮物でつくった。
漁師が獲った海の幸は、籠に入っている、イカとホタテの天ぷらで表現した。
弓ヶ浜に流れ込む青野川は、手作りの葡萄果肉入りゼリーとところてんのフルーツソース添えで作ったデザートである。
これに、ライスと汁物が付く予定売価は、1,000円程度を予定している。

 ↑ 今日は、東京地学協会のジオサイト予定地の見学会があり、昼食時に当店をご利用いただきました。食事の後、御一行様は、弓ヶ浜と逢ヶ浜を見学されたようです。めちゃ暑い中お疲れ様ででした。


 ↑ 第2回国際マスターズオープンウォータースイムレースなる遠泳の大会が弓ヶ浜で行われていた。サンバチームの応援もあり賑やかだった。
 また、水泳大会とは関係なく、海水浴客の姿も多かった。水温は今が一番高いので心地よく泳げる!

南伊豆は、何も無いようだけど、けっこう色々な楽しみ方がある。南伊豆のジオのおかげだ。  


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2012年07月19日

ジオ冷やしラーメン始めました~♪

ちょっと前に、当店食堂部ではジオ丼の試作品を当ブログで紹介させていただきましたが、
梅雨も明けて、夏らしくなってきましたので、夏メニューでジオ丼ならぬ「ジオ冷やしラーメン」を作ってみました

和風冷やしラーメン「神子元島」¥850(夏季限定)

具材の一つに神子元島周辺海域でとれた高級食材「下田S級サザエ」を使っています。りっぱにそそり立っているのは、東京スカイツリーではありません。神子元島に立つ灯台をイメージしています。外からは見えませんが、灯台の基礎部分には、大きめに切ったフライドポテトを使用して安定性を高めています。


 ↑ これが当店から見える灯台のある無人島「神子元島」(みこもとじま)です。ココは早い海流と良質の海藻を食べて育ったでっかく上質なサザエ「下田S級サザエ」の漁場となっています。



  


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2012年07月10日

海岸沿いを走る伊豆急線(夏色キセキ12話のシーン)


 ↑ 4人の女子中学生は、東京のオーディションに行くために、リゾート21に乗った。

 ↑ 伊豆急ホームページにあったリゾート21が海岸線を走る風景と同じだ。


 ↑ 伊豆急線の稲取~片瀬白田間の東伊豆町白田ネイバ付近からの写真。線路からの撮影は不可なため、線路脇の海岸から同方向を写す。アングルは違うが、ここで間違いないようだ。
 このあと伊豆急下田駅に立ち寄り駅員さんに聞いたところ、伊豆急HPの写真は稲取~片瀬白田間で間違いないとのこと、念のため夏色キセキのシーンの画像も見てもらったところ、背景の山々はリメイクされているが間違いないとお墨付きをもらった。ちなみに地図は⇒地図(東伊豆町白田ネイバ付近)


実は、上記の稲取~片瀬白田間に行く前に、もう一つ今回のシーンの風景ではないかと挙げていた候補があった。それは今井浜~稲取間で、結果的にそれは間違っていたのだが、今回の現地調査をするまでは、こちらの場所が今回のシーンだと思い込んでいた。そう考えていたのは私だけではなかった。
あの火山学者のうさ博士がご指摘されていた。⇒うさ博士ツイッター①参照 ⇒うさ博士ツイッター②参照

 ↑ その場所がここだ今井浜~稲取間の東伊豆町稲取向山の海岸沿い(国道135号、志津摩バス停付近より海岸方向を撮影)


 ↑ 確かに風景が似ている。なにより夏色キセキの画像右下あたりにある節理の発達した?小島状の岩に対応する岩脈がここにはあった。


 ↑ 伊豆半島が陸上時代になってからの大型火山(天城火山)中の岩脈だそうだ。


 ↑ 陸側から一連につながっている岩脈。爪木崎や城ヶ崎の柱状節理より細かい節理で、規模は小さいが変化があって芸術性高い。うさ博士がジオスポットに推すだけある。⇒うさ博士ツイッター③参照
こちらの場所は、夏色キセキの舞台探しとしては失敗だったが、怪我の功名で良いジオスポット見学が出来た。

 今回、この海岸沿いのシーンの風景(東伊豆町白田ネイバ付近)を探すのに、炎天下、海岸沿いの不安定な巨礫の上をひたすら歩いた。夏色キセキの聖地巡礼としてはかなりハードかもしれません。まぁ、実際の同じアングルを見るのは不可(線路上に立ち入ることになるので)ですから、わざわざ行くのはお薦めしないです。海が荒れてるときは危険なのでなおさらやめたほうが無難。むしろ、リゾート21に乗ってかわいい4人の車内アナウンスを聞きながら車窓からこの場所を見るのがお薦め。今度は私も、缶ビール片手に車窓から見てみたい。
 
   


Posted by さざえさん at 22:25Comments(2)ジオな気分

2012年07月02日

ジオ丼の試作品を作ってみた(;^_^A

日本にあるジオパーク(現在20地域が認定)では、色々なジオ丼があるようだ。ジオ丼とはジオに関連付けたどんぶりもののことのようだ。当店も遅ればせながら南伊豆町と弓ヶ浜に関連したジオ丼のようなものを考えてみました


 ↑ 一品目は、当店のある弓ヶ浜とその周辺の海をイメージしたもの。
「(仮称)弓ヶ浜プレート」
弓ヶ浜:山芋で白砂を表現。だし汁で味付けしてあります。
波打ち際:アジの酢の物。
神子元島:下田S級サザエコロッケにポテトが立って灯台のある島を表現
漁船と海の幸:ボタンエビ、イカ刺し、ホタテ、金目煮付

コメント:書き忘れましたが、基盤岩(白浜層群)は白いご飯です。



 ↑ 二品目は、南伊豆町のジオをイメージしたもの。
「(仮称)南伊豆町プレート」
青野川:笹の葉に載ったところてん。
青野大師ダム:人参で、青野川上流にあるダムを表現。
南崎火山:さざえめしの上に、青ノリをまぶして、ユウスゲ公園のある池の原の草原をイメージ。
中木の柱状節理:フライドポテト。
蛇石火山:チキンライス
下賀茂温泉:わかめの炊き込みご飯に3本のシメジで温泉マークを表現。
神子元島:下田S級サザエコロッケにポテトが立って灯台のある島を表現。

コメント:青野川の河口近くの左岸に神子元島があるのはご愛嬌(汗)、いっそのこと「神子元島」⇒「青木さざえ店」に置き換えたほうが地理的に無理はない(笑)。青野川のトコロテンは、別添えのタレに入れて食べる。川にタレを流すと弓ヶ浜(皿の外)が汚染されてしまうのでやめてください。

今回はまだ試作品という段階です。
  


Posted by さざえさん at 14:22Comments(2)ジオな気分

2012年06月12日

夏色キセキに見る下田のジオ③ 下田富士と4人の飛行高度

 寝姿山と並んで下田を代表する山である「下田富士(191m)」の登頂に、今回成功したので報告させていただきます。この山は、「下田富士」という名前こそ出てこないようですが、伊豆下田を舞台にしたアニメ「夏色キセキ」の映像にも頻繁に登場しています。
この「夏色キセキ」の第1話「11回目のナツヤスミ」では、「御石様(おいしさま)」と呼ばれる神社にある石の魔力で4人の少女たちが下田の空を飛ぶシーンがありました。テレビを観た人でしたらきっと鮮烈に印象が残っていることと思います。

 これをご覧になった火山学の権威でアニメにも幅広く精通していらっしゃる「うさ博士」様は、テレビで4人の少女たちが飛んでいた場所を瞬時に下田富士上空と判断された(2012.4.24Twitter参照)。そして、地形の数値データを3Dソフトにプロットして、この3D画像とアニメの比較を行った(2012.5.12Twitter参照)。

今回の登山は、うさ博士の学説を実際の現場にて検証を行うことにより、夏色キセキに登場する環凛子の自宅である神社と御石様の位置の特定し、4人が飛んだ高度を確認することを主たる目的としている。また、ついでではあるが、最近メタボ気味である小生の生活習慣病予防も兼ねていることをお断りしておく。


 ↑ これは下田公園から北方を眺めた風景です。テレビアニメの夏色キセキを見ている人に
はもうおなじみの景色ですね。稲生沢川をはさんで左(西)に見えるのが下田富士。

 ↑ EDで見る風景。これは駅前(出口)から見た下田富士。この稜線に登山道がある。

 ↑ 下田の街を挟んで東側の寝姿山から見た下田富士。

 ↑ 北側から見た下田富士はとんがって見える。(伊豆急線が稲生沢川を横切る中村大橋付近から撮影)

 ↑ 西側から見た下田富士。かつて採石場だったようである。節理の発達した緻密な安山岩の絶壁(敷根地区)

 ↑ 下田富士の登山口は下田駅のすぐ近くの南麓にある。

 ↑ 急な石段を登ると、息が切れる。

 ↑ 103段の石段を登りきったところに龍爪神社があった。ここからは一本道の登山道。

 ↑ しばらく登ると右(東)側の視界が少しだけ開ける場所がある。

 ↑ さらに登って左(西)側の金網を越えて覗くと断崖絶壁。五個上↑の写真を上から見た図。

 ↑ 「是より上女きんせい」と書いてある。女性は登ってはいけない?ようだ。

 ↑ 東側斜面は急傾斜のため表土が薄く、いたるところに岩肌が露出。浸食により磨かれて見かけ上マッシブに見える。下田富士はそのすべてが安山岩の貫入岩体が隆起浸食により残った火山岩頸から成っている。火山の根っこだ。

 ↑ さらに登ると足元にも露岩が出る。

 ↑ さらに登る、一部2~3m厚でマッシブな部分もある。が、

 ↑ その先からは、南北方向の板状節理(N25°W~N20°E、70~90°W)が発達。

 ↑ 7~8合目くらいだろうか?ようやく視界が良い場所が。後ろ(南南東)を振り返ると下田湾の入り口が見える。左は須崎半島。少しだけ視線を右に移し南側を見ると次の写真だ↓


 ↑ うさ博士作成の下田富士上空(対地高度250m)から南を見る図。カシミール3Dと基盤地図標高5mメッシュ使用。

 ↑ 実際の景色と(水平)方向的には一致する。しかし、鍋田の浜や湾がまったく見えない。下田海中水族館のある赤根島も頂部がわずかに見えるのみ。そうだ、高度が足りないのだ。ちなみにこの場所の標高は170m前後である。うさ博士の図と同じ鳥瞰を得るために標高約190m下田富士の上空250mまで上昇しなくてはいけない。つまり海抜440mである。

 ↑ 東側の木々の隙間を見ると下田の街と寝姿山がセクシーである。寝姿山は時代的には、下田富士と同じ白浜層群堆積期の貫入岩の火山岩頸であるが、あちらは流紋岩である。

 ↑ 板状の節理の方向は山頂まで南北センスであるが、登るにしたがって節理が発達。

 ↑ 疲れてきたが、右(南東)を見ると下田湾と犬走島が少し見えた。スフィアが歌う夏色キセキのオープニング曲「Non stop road」が脳裏に流れ、きつい上りが下り斜面に感じられ自然に足が進む(ウソσ(^_^;))

 ↑ 着いたー。ここが山頂。浅間神社がある。でもアニメで見る凛子の神社に比べるとかなり貧弱だ。御石様も凛子の住む家も無い( ̄▽ ̄;)!!ガーン

 ↑ 150年以上前にペリー?が落書きをした木が、大正9年頃まであったそうだ。

 ↑ 「宝永7」は1710年だ。300年以上前。でも安山岩が貫入した年代(1000 万~200 万年前)に比べたらめちゃくちゃ最近だ。

まとめ

・夏色キセキの第1話で4人の少女が飛んだ場所は、下田富士上空である。したがって凛子の神社の仮想的な位置は下田富士山頂である。

・4人の少女が飛んだ高度は、対地高度250m(海抜440m)である。

・現在、山頂には、凛子の神社、住まい、御石様は存在しない。質素で趣のある神社があった。

・.なまった体に上り道はきつい。


反省

 夏色キセキの第1話を見た際、すぐには、凛子の神社からの風景が下田富士上空からのものであると認識できなかった。頭の中に平面図の地形しか入っていなかったためである。その点、火山屋さんである博士は頭の中に3Dの鳥瞰図が入っているので、瞬時にビューポイントを特定したのだ。地形を見る際は3次元で見よう!分かっていても意外と難しい。見慣れた風景でも見る角度によって異なるから面白い。たまには高い所に登ってみるのも良いですよ!  


Posted by さざえさん at 12:44Comments(0)ジオな気分

2012年06月04日

伊豆ジオMAPをGET!

下田をちょっと散歩していて、下田市の歴史的建造物指定「旧澤村邸」に立ち寄ったら、観光パンフレットの棚に、伊豆半島ジオパーク構想の「伊豆ジオMAP」が置いてあるのを発見した。このMAP自体の存在は知っていましたが、先日、南伊豆町の観光協会に立ち寄ったときはまだ置いていなかった。今回たまたま発見したので勝手にちょっと紹介します。


 ↑ 折りたたまれて、10cm×14cmのコンパクトなサイズになっている。ポケットにらくらく入るので携行に便利。

表面  裏面
 ↑ マップを広げると50cm×42cm。両面に印刷。(クリックで拡大↑)


 ↑ 伊豆半島を「海底火山時代の古い地層」「陸上火山時代の新しい地層」という大まかに区分した地質図。「第三紀火山」、「第四紀火山」、「沖積低地」などのわかりにくい用語を使っていないところが、ジオ初心者にも取っ付き易く考えられて作成されている。北伊豆、中伊豆、東伊豆、西伊豆、南伊豆の5エリアの大まかな区分ごとの解説がされている。地形・地質だけではなく、温泉、史跡、名産品等についても紹介


 ↑ ちなみに当店のある南伊豆エリアの解説。下田の街並みの写真は、ペリーロードで、TVアニメ「夏色キセキ」でも出てくる風景。下田はキンメダイの水揚げ日本一だ!紙面の都合上サザエとイセエビは残念ながら載っていない。


 ↑ ひっくり返して裏面は、伊豆半島のジオポイントが地質図上にプロットしてある。伊豆半島の13市町から各一箇所が写真付きで紹介。ザザエとイセエビの写真も載っていた(笑)


 ↑ ちなみに南伊豆町は「ユウスゲ公園」、下田市は「竜宮窟」が紹介されている。どちらも私の大好きな場所だ。どちらの場所も現在放送中の伊豆下田を舞台にしたTVアニメ「夏色キセキ」のオープニングで出てくる場所だ!

一枚の限られたスペースの紙面上でよくまとまっていて、ほんと取っ付き易く作られていると思います。地質屋でなくとも「ジオスピリット?!」をかき立てられる内容だ!私もこの「伊豆ジオMAP」を持って旅してみたいと思います。

また、伊豆半島ジオパーク構想「南から来た火山の贈りもの」のHPでは、より詳しく画像、動画付きで各ジオサイトを紹介しているので、ジオサイト見学の際はとても参考になりますよ!  


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2012年06月02日

夏色キセキ 第9話に出てきた「御石様の親戚」って何?

夏色キセキ第9話「旅の空のさきのさき」は前回に引き続き八丈島での話でしたね。たまげたことに宿泊先の民宿の温泉にも「お石様の親戚?」があって、その魔力で紗季ちゃんが透明人間になってしまう…
今回の放送の聖地八丈島には行けなかったけど、八丈島のジオについてちょっと語ります。

八丈島は富士火山帯南帯に属する火山島で北西-南東に並んだちょっといびつなおっぱい型を呈している。南東側の東山(三原山)は更新世の火山であり、北西側の西山(八丈富士)は完新世の火山である。

↑ 左が東山(三原山)、右が西山(八丈富士)

東山(三原山)は、火山の構造から3度にわたる大活動と小規模な活動を繰り返してきた複成火山であり、現在は活動していない火山である。前半の2回の活動で生じた直径約4kmの先カルデラ成層火山の残部(外輪山)と、後にその内側での活動で生じた後カルデラ成層火山(三原山)とで主に形成されている。
東山は活動を終えてから長い年月がたっているため浸食が進んでおり、深い谷や海岸部の急崖(海食崖)が発達している。このような地形のため湧水の流出が多く、東山北西麓には鴨川、大川では小規模ながら沖積低地ががある。かつてここでは稲作が行われていた。

西山(八丈富士)は、東山の火山活動が終わって、浸食が進んでから、噴火したとされる。1707年の活動記録を最後に完全に休止している。円錐形の成層火山であり標高854.3mは伊豆諸島中の最高峰である。この西山の比較的低粘性の溶岩は、島の中央付近で東山の岩盤を覆っている。この末端付近では、南西-北東に細長い平坦地を形成しており、島の人口の集中する中心地となっている。西山の岩質は新しいため、谷地形は発達せず、東山にあるような河川は存在しない。

このように八丈島という一つの島でも、地形・地質的には東山と西山では大きく異なっていますぜんぜん似ていない兄弟みたいなものかな?もっと広いスケールで見ると、八丈島は、伊豆半島と同じフィリピン海プレート上の富士火山帯にあることを考えると、湯ヶ島層群に相当する地層も地下に伏在する可能性があります。このようなことから八丈島は伊豆半島の親戚?!と言ってもいいかもね。

話は、夏色キセキに戻りますが、優香の神社にあるお石様は、当初、三波川帯の結晶片岩等(広域変成岩で、よく庭石に使われる石)を群馬県あたりの石材業者から取り寄せたものだと推測していました。しかし、今回八丈島に「親戚?」があったことから玄武岩~安山岩(もしくは同質の火山碎屑岩)という説が急浮上してきました。今後の御石様には目が離せません。  


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2012年05月30日

夏色キセキに見る下田のジオ② ロープウェイで寝姿山

伊豆急行線で下田に来ると、終点伊豆急下田駅に到着する少し前から進行方向左に見えてくる一連の山が寝姿山だ。過去のブログでも紹介したことがあるが、今回、実際に登ってジオ見学してきました。登ったといっても山頂付近まで下田ロープウェイで楽々行けます。山頂付近は比較的平坦面があり、遊歩道を散策できます。⇒寝姿山遊歩道マップ

 ↑ これら一連の峰を寝姿山と呼んでいる。写真右の岩肌が出ている山が武山、真ん中の胸に当たる部分のにロープウェイの駅がある。その左奥にに寝姿山最標高を地点がある。



 ↑ よくくる下田の街でも、上から見る景色は新鮮だ。

 ↑ 下田の沖積低地にある街を挟んで向かい側には下田富士が見える。

 ↑ 山頂駅に着くと、まず下田湾の絶景が目に飛び込んでくる。

 ↑ 右(南西)側を見ると、顔の部分の武山(179m)が見える。

 ↑ 左(東南東)方向を見ていたらどこかで見た建物が!あっ夏色キセキに出てくる中学の校舎だ!


 ↑ この景色も夏色キセキのオープニングで四人が駆け下りている景色だ!でも…

 ↑ 15mも走るとその先は急な崖で密林になっているので、駆け下りることはできない。
  出ている露岩は、流紋岩である。寝姿山の山体は流紋岩の貫入岩体が隆起侵食により残ったものなのだ。

 ↑ 生垣で作った迷路がある。

 ↑ 縁結びの神様、愛染堂がある。

 ↑ ハート型の絵馬にたくさん願掛けしてある。

 ↑ 路頭あった。粘性の高い流紋岩質マグマが流れた時にできた流理構造が顕著だ。でも流理のあるなしにかかわらず、SiO2等の含有度合いで流紋岩が定義される。

 ↑ ここからは施設外のハイキングコース。この道を600~700m行った先に寝姿山の最高地点の万蔵山(200m)がある。

 ↑ 比較的フラットな尾根沿いの道をひたすら進むと地味な看板がぽつんとあった。

 ↑ ここだ本当の寝姿山(万蔵山)の山頂だ!山頂といっても平坦地なので実感がない。それにしても「標高200.07m」って200mと7cm。かなり几帳面(笑)
  


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