2012年04月24日
近所でみつけた火山活動の痕跡(南伊豆町逢ヶ浜の貫入岩体)

当店目の前の弓ヶ浜を見て左に5分ぐらい歩くと、逢ヶ浜(おうのはま)があります。弓ヶ浜が伊豆でメジャーな海水浴場なのに対し、逢ヶ浜は、石コロと岩場の浜で、マイナーな隠れ家的スポットです。ここには、火山噴出物が海に浸食されてできあがった奇岩がすばらしい景色を作り出しています。また、遠浅で干潮時には奇岩まで歩いてわたれ、磯遊びにも最適な浜です。このようなことから、マイナーとはいえ、一度訪れた人をとりこにしています。奇岩や地図については、当店HPでも紹介してあります。
満潮時
干潮時
今日は、この浜の海に受かって左端にあるマグマが岩盤を貫いて冷え固まった『貫入岩体』を紹介します。場所は浜の左端です。↓

ここで一番目を惹くのは、なんでこんな形なのって感じの奇岩「エビ穴」です。実際に見たほうが不思議感が伝わります。その手前に貫入岩の露頭がありました。↓

↑ 写真中央の同心円状および放射状の節理(亀裂)がある部分が火山のマグマが入り込んできた部分(貫入岩)。その左右の石コロが入り込んだボコボコした岩がもともとあった岩石(火山砕屑岩)です。相対的に火山砕屑岩より貫入岩のほうが古いことは言うまでもありません。が、いずれの地層も浅い海底での火山活動に伴って生成されたもので白浜層群(1000 万~200 万年前)と呼ばれています。

↑ 中央部分の拡大写真。この写真の左右に縦長にえぐられた部分があります。これは、熱いマグマが周りの冷たい岩石と接触したときに、急冷されてもろくなった箇所が、波によって洗い流されたものです。
←境界および岩層を図示した写真

↑ 特に左のほうの浸食部は人が数人入れるほどの洞窟状になっています。洞窟の左右で明らかに岩質が違います。左はもともとたまっていた岩石(火山砕屑岩)。右が入り込んできたマグマ(貫入岩)。

↑ 内部はこんな感じで、外光が入り込む程度の奥行き。中に入ると地底人の気持ちがわかるかも?熱いマグマが岩盤の割れ目を開きながら入り込んでくる姿を想像出来る!?洞窟のほぼ左側面が境界部。

↑ 洞窟の左奥の部分。 ハンマーのすぐ左が境界部。内部はよく波で洗われていて、フレッシュ。

↑ 露頭に向かって右の境界。写真右が、もともとたまっていた岩石(火山砕屑岩)。浸食部を挟んで、左(ハンマーのある部分)が入り込んできたマグマ(貫入岩)。

↑ ハンマーのすぐ左が境界部。
白浜層群の時代には活発な火山活動が起こっていたことが、地層の様子(層相)から推測されます。したがって、マグマの供給が盛んであり、今回の規模程度の貫入岩体ならいたるところにあると思われますが、その多くは風化や植生で隠されているためなかなかお目にかかれないのでしょうね。その点、海沿いでは風化した部分を洗い流してくれているので、新鮮な岩石を見ることができます。特にここ逢ヶ浜では、貫入岩体の境界部が洞窟になっているので、地層を3次元的に見れます。小さめの洞窟に入ると自分があたかも地底人になったかのような錯覚をします(個人の感想です)。みなさんも機会があったら行ってみて下さい。
満潮時

干潮時

今日は、この浜の海に受かって左端にあるマグマが岩盤を貫いて冷え固まった『貫入岩体』を紹介します。場所は浜の左端です。↓

ここで一番目を惹くのは、なんでこんな形なのって感じの奇岩「エビ穴」です。実際に見たほうが不思議感が伝わります。その手前に貫入岩の露頭がありました。↓

↑ 写真中央の同心円状および放射状の節理(亀裂)がある部分が火山のマグマが入り込んできた部分(貫入岩)。その左右の石コロが入り込んだボコボコした岩がもともとあった岩石(火山砕屑岩)です。相対的に火山砕屑岩より貫入岩のほうが古いことは言うまでもありません。が、いずれの地層も浅い海底での火山活動に伴って生成されたもので白浜層群(1000 万~200 万年前)と呼ばれています。

↑ 中央部分の拡大写真。この写真の左右に縦長にえぐられた部分があります。これは、熱いマグマが周りの冷たい岩石と接触したときに、急冷されてもろくなった箇所が、波によって洗い流されたものです。
←境界および岩層を図示した写真


↑ 特に左のほうの浸食部は人が数人入れるほどの洞窟状になっています。洞窟の左右で明らかに岩質が違います。左はもともとたまっていた岩石(火山砕屑岩)。右が入り込んできたマグマ(貫入岩)。

↑ 内部はこんな感じで、外光が入り込む程度の奥行き。中に入ると地底人の気持ちがわかるかも?熱いマグマが岩盤の割れ目を開きながら入り込んでくる姿を想像出来る!?洞窟のほぼ左側面が境界部。

↑ 洞窟の左奥の部分。 ハンマーのすぐ左が境界部。内部はよく波で洗われていて、フレッシュ。

↑ 露頭に向かって右の境界。写真右が、もともとたまっていた岩石(火山砕屑岩)。浸食部を挟んで、左(ハンマーのある部分)が入り込んできたマグマ(貫入岩)。

↑ ハンマーのすぐ左が境界部。
白浜層群の時代には活発な火山活動が起こっていたことが、地層の様子(層相)から推測されます。したがって、マグマの供給が盛んであり、今回の規模程度の貫入岩体ならいたるところにあると思われますが、その多くは風化や植生で隠されているためなかなかお目にかかれないのでしょうね。その点、海沿いでは風化した部分を洗い流してくれているので、新鮮な岩石を見ることができます。特にここ逢ヶ浜では、貫入岩体の境界部が洞窟になっているので、地層を3次元的に見れます。小さめの洞窟に入ると自分があたかも地底人になったかのような錯覚をします(個人の感想です)。みなさんも機会があったら行ってみて下さい。
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Posted by さざえさん at 06:32│Comments(0)
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